監査担当、中村です。
さて、本日は日米社員間の相互理解について、Employment at will(会社と労働者のニーズの合致の原則)の観点より紐解きます。
前段として、小生の海外駐在の実体験を交えながら論じたいと思います。
将来、海外駐在に挑戦したい学生の皆様、IE(インダストリアルエンジニアリング)を現地米国スタッフに教えたい社会人の方、そして、密で異国情緒あふれる外国人バーでグローバルコミュニケーションを図りたいお父様へ向けて、ぜひご参考になれば幸いです。
1.価値観の違い
背景として、日系企業の米国における進出が1990年代から急加速し、現在に至るまで数十年を経過しております。日本独自のマネジメント手法や人事戦略が通用しにくくなり、職場における価値観の違いはさらに深まっている印象です。日本より出向された駐在員と現地ローカルスタッフとの間の相互交流に協力関係が築きにくくなり、良好な相乗効果が発生しにくい環境になっているのではないでしょうか。このような事態が続くと当然、米系および外資系競合他社と比較して大幅な企業成長の遅れが生じます。
2.フラストレーションについて考察
次に、日米社員間の相互理解について少し触れたいと思います。以下、世間一般的に言われる駐在員あるあるを纏めました。
◎日本人駐在員が米国人従業員に対して感じる典型的なフラストレーション要因
•何度教えても仕事を覚えない。
•納期交渉が困難。
•アウトプットのイメージが違う。
•緊急事態でも定時に仕事を切り上げる。
(小生も毎日、日本サイドより与えられる仕事を始めることが出来るのは夕方16時以降でした。)
•部下や後輩に自分の仕事を教えようとしない(情報共有しない)。
•自身や家族を優先し、会社に対する忠誠心が低い
•自分のミスを認めようとしない。
◎米国人従業員が日本人駐在員に対して感じる典型的なフラストレーション要因
•なぜ毎日深夜まで仕事をするのか?日中の時間の使い方の効率が悪い。
•意味のない会議が多い。しかも、なぜ発言しないのか。
•仕事を頼むとき、常にAs soon as possible で依頼する。
•言葉遣いが乱暴、その割りにSorryと謝ることが多い(何を考えているのかわからない)
•仕事の目的を説明しない。そして、日本人が拘るポイントが理解できない。
•相手の都合を考慮しない。
•人種、出身国、国籍年齢に関し、不適切な発言をする。
これだけの情報から判断すると単純に人種や価値観の違いに焦点が当りますが、最大の相違点は日米の雇用法であると考えています。特にグローバル人事の視点として、以下、抑えたいポイントです。
3.日米の雇用法の最大の相違点
①年齢による差別の禁止法の有無
■アメリカ
・年齢による差別禁止法がある。例えば60歳を超えていると思われる人を、それを理由に面接対象から除外できない。つまり、本人の働く意欲と能力に準ずる。
■日本
・従来、日本の定年退職制は全員一律の取り扱いをしており、それが平等で公正と位置づけている。
②(アメリカ)Employment at will と (日本)解雇権濫用の禁止
■(アメリカ)Employment at will
アメリカでは、雇用契約や組合との労働協約で正当な解雇理由を要求する場合を除き、Employment at will(会社と労働者のニーズの合致の原則)が生きており、誤解を恐れずに言うと、違法に抵触しなければ如何なる理由でも会社都合による解雇が法律上容認されています。
■(日本)解雇権濫用の禁止
日本では、労働契約上、労働者を解雇する場合、解雇権の濫用は許されません。
いかなる理由があっても会社ではなく、裁判所がジャッジします。つまり、経営環境の変化に解雇が追いつかない事象が生じるのです。
次にワークライフバランスの切り口で相違点を見ていきましょう。
4.米国でのワークライフバランス(日本との違い)
・アメリカの場合、生活範囲が自転車や徒歩で行き帰り可能な広さではなく、家族持ちの従業員のスケジュールは埋まっていると予期すべきである。
・部下の予定や都合を聞かずに今日中とかできるだけ早くとか言って仕事を頼むのは、部下のプライベートを無視してしまう恐れがある。平日でも17時から家族でバーベキューを楽しむのです。小生はミシシッピワニが怖くて、川沿いではバーベキューはしません。
解決策として、残業はできるだけ当番制やボランタリーの人を軸として人員体制を組むことを推奨します。また、社員のやる気を引き出すためのマネジメントについて、ポイントは以下になります。
①適切な業務指示を分りやすく出す。また、タイミングよくサポートする。
②何事も論理的に提示する。
③会社の管理職は、部下の特性を掴み、モチベーションを保つ工夫をする。
いかがでしょうか。少し、相互理解について考えが深まったところで、職場におけるマナーの実践的なポイントについても以下、補足します。
・日本式の手法にこだわらない。
・日本人駐在員だけでいつも一緒の行動していると、周囲の米国人に良い印象を与えない。
・日本人駐在員だけでの食事、歓送迎会、会議はできるだけ避ける(米国人同僚にも声をかける)
・会議中、腕を組んで目をつぶったりしない。
・部下に注意をするときは必ず個室で行い、相手にこちらの意図が十分伝わるように冷静かつ論理的に行う。特に、大勢の前で注意する事は、その方のプライドや信頼を大きく傷つけます。
5.まとめ
・日本の当たり前を現地に持ち込まない。期待通りのアウトプットであれば必ず口に出して感謝する。言わなくても分ってもらえるだろうという期待は禁物。
・互いに相手を一個人として、また、プロフェッショナルとして尊敬を持って接することが求められる。
・こちらの考えや意図が分ってくれない米国人社員に問題があるのではなく「分るように説明できない」我々、駐在員の方に問題があると思ったほうが良い。結果責任は日本の親会社および駐在員サイドにあります。
さて、次に本論に移ります。
小生の6月度の袋麺の消費量をカウントしたところ、22袋を記録しました。主力メンバーとしてはサッポロ一番塩ラーメン(5千メートル記録換算13′45″の選手)、同じくみそラーメン(5千メートル記録換算14′18″の選手)、辛ラーメン(目に入ったら危険あるヨ)です。三番手のラーメンはサッポロ一番ほどの知名度はありませんが、使い方によってはものすごい威力を発揮します。
それは、「深夜ラーメンテロ」です。
放送大学陸上部員がウトウトし始める深夜12時、彼らのラインに辛ラーメン製造工程の写真をひたすら送り続けるのです。煩悩に撃ち負けた部員は釣られてインスタント麺を開封し始めます。そう、駅伝の前日に応用すれば、更なるカーボローディングが期待できるのです。他校からすれば脅威でしかないですね。
つか、今日のテーマなんだっけ?
おわり
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