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最後のダイエー戦士(野手)引退

2022年9月23日、1人のプロ野球選手が現役引退を表明した。

明石 健志 (あかし けんじ) 選手、36歳。

2004年まで存在したプロ野球チーム「福岡ダイエーホークス」に所属経験のある最後のプロ野球現役野手 (投手以外の選手) 、いわゆる「最後のダイエー戦士 (野手)」である。


現役19年。

選手寿命が平均9年と言われるプロ野球の世界で、彼はなぜこんなにも長く現役を続けられたのか。


明石選手は山梨学園付属高等学校在籍時の2003年、ドラフト4巡目でホークスに指名され、翌2004年からプロ野球選手となった。

プロ1年目、早くも一軍の試合に出場すると、代打としてプロ初打席に立ち、いきなりスリーベースヒットを放つ。

チーム名が「福岡ソフトバンクホークス」に変わって以降はケガに苦しめられるも、2007年からは出場試合を増やし、2012年には規定打席に到達。その後はスタメンに定着しきれず、代打や守備固めでの出場が多くなった。

しかし、要所要所でファンの心に残る活躍を見せる。2012年にはオールスターゲームに出場し敢闘選手に選ばれ、2015年には日本シリーズ優秀選手賞を受賞。2017年に年俸1億円に到達。2018年の日本シリーズ第5戦では同点ホームランを放ち、ホークスの日本一に大きく貢献した。1)


9月23日までの通算成績は、1007試合の出場で打率.252、647安打、17本塁打、213打点、93盗塁。2) 球史に残る大選手といえる成績ではない。しかし、彼はその身体能力を生かしたユーティリティ性で、走攻守にわたってチームを支え続けた。

「ミスタースリーベース」と呼ばれたほどの俊足、投手と捕手以外の内外野7ポジション全てを守れる堅実な守備力、そして重要な場面で結果を残す打力。また2012年に記録した1打席19球、1打席15ファールは現在もプロ野球記録。1) 打席での粘り強さを表している。2019年にサヨナラホームランを放った際には、プロ野球史上2人目となるバック宙しながらのホームインを決めるなど、身体能力も高い。36歳となった2022年シーズンでも故障者発生時のスタメン、代打として起用されていることが、能力の高さを物語っている。

サヨナラホームランを打ち、バック宙でホームインする明石選手 (背番号8) (西日本スポーツより) 3)


9月24日の対千葉ロッテマリーンズ戦、引退試合となった明石選手は7回裏に代打で出場した。2ストライクからストレートをはじき返した打球はピッチャーを強襲。持ち前の俊足を飛ばして内野安打とした。1008試合目、648本目の安打は、彼の能力の高さを再確認させるものだった。


23日に行われた引退会見では、記憶に残る数々の場面があるにも関わらず、思い出に残るプレーとして2010年に喫したサヨナラエラーを挙げた。「そこから考え方が変わった。自分を見つめなおしたりして、そこからちょっとは強くなれたかなと。野球人生を左右するといいますか、分岐点だったと思う」2) と語った明石選手。ミスから反省し、自分を見つめ直し、成長に繋げる。プロ野球という厳しい世界で長い間生き抜いてきた強い想いが、そこには見えた。

引退会見に臨む明石選手 (福岡ソフトバンクホークス 公式サイトより)

「19年間の現役生活で誇れるものは?」という質問に、「大した成績ではないと思います。誇れるのは19年間、ホークスで野球をして、ホークスで引退したこと」2) と答えた明石選手。自らも誇りに思う19年間もの現役生活は、持って生まれた身体能力だけでなく、努力を重ねて培った高レベルのユーティリティ性で勝ち取ったものだと感じた。


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誰にでもミスはある。調子が悪い時もある。それらを「運が悪かった」「実力がなかった」で終わらせるのか。それとも自分を見つめ直す機会とするのか。明石選手の生き方は、壁にぶつかった時に迫られる選択の答えを、教えてくれているのかもしれない。



出典

1) Wikipedia「明石健志」<https://ja.wikipedia.org/wiki/明石健志>

2) 福岡ソフトバンクホークス公式サイト 「明石選手が引退表明会見「19年間ホークスで野球をして、ホークスで引退できたのが誇り」」<https://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/00005937.html>

3) 西日本スポーツ 「ソフトバンク明石バック宙 秋山氏から絶賛された過去「俺より高い」」 <https://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/00005937.html>






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